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年中行事

2月3日~2月5日 聖女アガタ祭り/カターニア

Sant'Agata Busto

▲聖女アガタIL Busto


聖行列・昼

▲聖行列


聖行列・夜

▲聖行列(夜)


カンナローレ

▲カンナローレ


ろうそくの奉納

▲ろうそくの奉納

聖女アガタ祭は町の守護聖女讃えるカターニア最大のお祭りで、2月3日~2月5日と8月17日に行われるものです。守護聖女の殉教の日にちなんだもの、8月はその遺体がビザンチン帝国総督に戦利品としてコンスタンチノーブルに運び去られた86年後にカターニアに戻ってきたことにちなんだものです。2月3日~6日にはカターニア市民だけでなく、国内外からもたくさんの人々がこの祭りに訪れます。セヴィリア(スペイン)のセマナサンタ(聖週間)、クスコ(ペルー)のコルプス・ドミニの祭に匹敵するものとして世界中に知らせています。


聖女アガタ祭の起源は定かではありませんが、多神教や古代ギリシャのイシス信仰の影響も色濃く伺えます。1040年以来コンスタンチノーブルに持ち去られていた聖女の遺骸は、86年後の1126年2人のカターニア兵士によってシチリアに戻ってきました。この日、当時の司教がアチカステッロまで赴きその遺骸をお迎えしたのが最初の大きな祭です。聖女アガタ祭の間は町中の通りがイルミネーションの飾りつけが行われます。


聖女アガタ

アガタは3世紀のキリスト教迫害の時代にカターニア貴族の娘として生まれ、若くしてその生涯をキリスト教にささげました。ローマ総督の求婚を拒み、キリスト教徒だとして捕らえられてもその求婚を拒み続けたために、251年の2月5日にとうとう殉教させられるにいたりました。この若い娘が、ローマ総督に屈せず自らの信仰を貫いたことはカターニアの人々の心に強く焼きつきました。聖女アガタの殉教は異民族の支配に対する反感の象徴として、カターニアの誇りとなったのです。アガタ信仰は殉教後すぐから、異教徒やシチリア以外にもどんどん広まって行き、教皇庁も早くにアガタを聖女としました。イタリアには聖女アガタの名を付けた町が14、聖女アガタを守護聖女としている町は44もあることからもこの聖女アガタ信仰が広く浸透していることが伺われます。



聖女アガタ祭の聖行列

2月3日、4日、5日はきらびやかな山車が町を練り歩く盛大な聖行列が行われます。


聖女アガタの山車 VARA

1581年に作られたルネッサンス様式の山車VARAは聖女アガタの純銀製の棺と、純銀製の胸像を載せるための特別の山車で、行列の際花飾りが施され、白い法衣をまとったの男たちが聖女を讃えながら200mにも及ぶ長縄で引いていきます。2月4日はピンクのカーネーション(聖女アガタの殉教とキリストの受難のシンボル)、2月5日は純白のカーネーション(聖女アガタの神への忠誠、純潔のシンボル)で飾られます。

聖女アガタの棺 SCRIGNO

15世紀につくられたコシック様式の棺で、聖女アガタの生涯のレリーフが施された純銀製の棺です。

聖女アガタの胸像 IL BUSTO

聖女の頭蓋骨と胸部を納めるために、1376年に調金とエナメル細工を施し純銀製で作られました。以来ずっと信者が奉納してきた300近い宝飾品で飾られています。王冠は1190年に十字軍遠征時にカターニアに立ち寄ったイギリスのリチャード獅子心王が奉げたもので、他にも1881年にサヴォイ家のマルゲリータ王妃が奉げた指輪、ヴィンチェンツォ・ベッリーニが奉げた勲章などもあります。


カンナローレ CANNAROLE

カンナローレは金泊をほどこしたきらびやかなシチリアバロック様式のお御輿で、商業組合などがそれぞれ作ったもので、現在11台あります。400キロから900キロもあるこの重いカンナローレを12人の男たちが肩に担ぎ、聖行列に加わって町を練り歩くのは見ものです。


聖行列日程

2月の聖行列日程は次の通りです。


2月3日「聖女アガタのろうそく奉献」の聖行列(12:00~)

聖女アガタ殉教の地せある、ステシコロ広場のローマ円形劇場前にある聖アガタ・アッラ・フォルナーチェ教会からエトナ通りを通り、ドゥーモ広場まで、11台のカンナローレの山車、市長をはじめとした行政や軍隊のトップ、18世紀の馬車などの聖行列が行われます。この聖行列では、ご加護を願う人々が奉献する背丈ほどあるろうそくを受け取ります。この日は盛大な花火で一日をしめくくります。


2月4日 黎明のミサ(06:00)~市内聖行列(07:00~)

あふれんばかりの敬虔な信者らがドゥオーモに会し、熱狂的に白いハンカチを振り、聖女を讃える中、白装束の男たちが聖アガタの棺を運びだします。聖女アガタの胸像がお目見えすると荘厳なミサが行われます。

その後ドゥオーモ広場から町を大きく練り歩く一日がかりの聖行列がはじまります。聖女アガタ殉教の地や、18世紀ペスト流行の際の奇跡の地など、聖女アガタゆかりの地を結んだ聖行列です。ウゼータ門を出て、海側を通り、カルロアルベルト広場のマドンナ・デッレ・カルミネ聖所前にて小休憩、その後ステシコロ広場からカプチーニ通りの坂道をのぼり、旧カテドラル、聖アガタ・ラ・ヴェトゥレ教会にて夕刻までとどまり、その後またリソルジメント広場あたりまで市内を大きくまわり、大聖堂には5日早朝に戻ります。


2月5日 市中心部の聖行列(17:30~夜明けごろ)

ドゥオーモからエトナ通り沿いに、ベリーニ公園、カブール広場のChiesa di Sant’Agata al Borgoに到達すると盛大な花火があがります。その後エトナ通りを戻り、サンジュリアーノ通りの坂を上ります。この日のクライマックスともいえる瞬間で、坂を登りきると、バロック建築の通りとして有名なクローチフェリ通りに入っていきます。ベネデット修道会前では修道女らが、聖女アガタを讃える歌でお迎えをし、その後フランチェスコ通り、ガリバルディ通りを通り、ドゥオーモ広場に夜明けごろに戻ると盛大な花火があがります。